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飯塚 旧伊藤伝右衛門邸

2012.12.05.

少し前の事、町内恒例の秋の研修旅行で筑後、筑豊地方へ行きました

その折訪れた飯塚市の旧伊藤伝右衛門邸がとても素晴らしかったので

ご紹介いたします

伊藤伝右衛門さんは筑豊の炭鉱王と言われる人で、

明治から大正にかけて炭鉱で財を成し、

この地に敷地面積2300坪、建坪300坪、

全25室の豪奢な木造家屋を造りました

また、大正天皇の従妹で柳原伯爵令嬢、柳原白蓮が

伝右衛門の妻としての10年を過ごした場所です

重厚な玄関、瓦には伊藤家の紋が彫られています

ドイツ製の板ガラスにイギリス製のダイヤをかたどったステンドグラス
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玄関横の応接間、イタリア製大理石のマントルピース、シャンデリア、重厚な板張り
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書斎 寄木造りの床、塗り壁は金襴の帯をほどいて塗りこめてあるそうです

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廊下の矢羽天井

よく見ると両側の斜めの板の張り方が逆

一方はまるで真ん中が下がっているよう、もう一方は山のように盛り上がっているよう

目の錯覚をうまく利用しているそうです
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大広間から見た庭の様子

本座敷、次の間と二間続きの大広間

威厳のある書院造り、黒檀の床框、金の唐紙、高い天井
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贅を尽くした白蓮の部屋

2階にあり、回遊式庭園が一目でみわたせます

床の間、欄間、天井の選りすぐりの銘木

手の込んだ意匠
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銀を貼った押入れの襖にはチューリップの引手

部屋から見える土蔵の瓦にも伊藤の文字

庭に臨む和洋折衷の食堂、中庭に面した控えの間
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タイルと鏡の嵌めこまれた洗面所、九州で初めて造られた水洗式厠
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青磁の優雅なペンダント、菊の御紋の入ったシャンデリア
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大海の絵図の襖には帆かけ船の引手、秋の絵柄の襖には桔梗の引手
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回遊式の庭園から見た全景

2階ガラス窓の部屋が白蓮の部屋

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何とも素晴らしい、贅を尽くし、技を尽くした家でした

ちなみにガイドさんの話では、

近くにある麻生太郎さんの別荘はさらに大きくて、

敷地が2万坪もあるそうです

実はこの直前に田川市石炭歴史博物館を訪れました

ユネスコ世界記憶遺産に登録された

山本作兵衛の炭坑記録画の原画(撮影禁止だったので残念)を観ました

上半身裸で、赤ん坊を籠に入れ、

地の底で、腹ばいになって、真っ黒になって、石炭を集める女たちの絵です

過酷な作業にも耐え、たくましく家族を支える、貧しい労働者階級と、

贅を尽くした支配階級の暮らしぶりとの、あまりの落差に、

何とも言えない、苦い思いを禁じえませんでしたが、

明治、大正時代の名建築、高い技術に触れることが出来、とても感慨深い一日でした

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